スマックは Rhus coriaria という低木の実を乾燥させて粗く挽いた、ワインレッドの粉末です。味は明るく酸っぱくフルーティーで、「果汁のないレモン」のよう。ファトゥーシュ(レバノン風サラダ)、フムス、焼き鳥やケバブ、シャワルマに添える玉ねぎ、ペルシャ風ライスに振りかけたり、ローストした野菜にまぶして酸味のある衣にしたりします。ザアタルはこれを土台にしたレバント地方のミックススパイスで、乾燥タイムやオレガノ、炒りごま、スマック、塩を合わせたもの。オリーブオイルとパンに添えたり、ラブネ(水切りヨーグルト)に振ったり、ローストチキンやフラットブレッドにまぶします。
買い方
カルディやスパイス専門店で小瓶が見つかり、Amazon・楽天で「スマック」「ザアタル」と検索すれば GABAN やマスコット、Steenbergs などが手に入ります。上野や新大久保のハラール食材店ならトルコ産の大袋が割安です。良いスマックは少ししっとりしていて鮮やかな濃い赤で、軽く固まるくらいのもの。乾いて茶色くくすんだものは古い証拠です。原材料表示も確認しましょう。安いものには塩(問題ありませんが塩加減を調整)やクエン酸で酸味を補ったものがあります。ザアタルはレバノン産やパレスチナ産のほうがハーブが多く、かさ増しが少ない傾向です。
保存方法
スマックは密閉瓶に入れて暗い戸棚で保存すれば、約1年は色も酸味も鮮やかです。もともと少し湿り気があるので固まりやすく、フォークでほぐして使い、湯気の上で振らないようにします。ザアタルはハーブの香りが半年ほどで抜けるので、小袋で買ってしっかり封をしてください。どちらもジッパー袋で冷凍すると風味が長持ちします。色が茶色くなり酸味が消えたら買い替えの時期です。
代用品
- スマックの代わりに:レモンの皮のすりおろしにひとつまみの塩を混ぜ、同量で。柑橘の爽やかさは残りますが、果実味の深さと赤い色は失われます。
- スマックの代わりに:小さじ1につきレモン汁小さじ1、またはアムチュール(インドの乾燥マンゴーパウダー)小さじ1/2。酸味はアムチュールが最も近く、レモン汁は水分が加わります。
- ザアタルの代わりに:乾燥タイム大さじ2、炒りごま大さじ1、スマック(またはレモンの皮)大さじ1、塩小さじ1/2を混ぜます。本物にかなり近くなります。
- タマリンドパウダーや少量のザクロシロップをマリネ限定で。酸っぱくフルーティーな要素を補えます。
使い方
スマックは仕上げのスパイスです。盛り付け直前にサラダ、焼いた肉、ご飯に小さじ1〜2を振るか、薄切りの赤玉ねぎと塩ひとつまみとあえれば5分でケバブの付け合わせになります。長く加熱すると味がぼやけるので、煮込みには最後に加えます。焼く前の鶏肉や魚にスマック、オリーブオイル、塩を混ぜてすり込むと、色づきと酸味が加わります。ザアタルは大さじ2をオリーブオイル大さじ3と混ぜてフラットブレッドに塗るか鶏肉に刷毛で塗り、タイムが焦げないようにローストの最後の数分で加えてください。
著者 Mia Ko · 更新日