かぼちゃをオーブンで焼くところから作る本格パンプキンパイ。空焼きしたバター生地に、ブラウンシュガーとシナモン・ジンジャー・ナツメグ・クローブを効かせたなめらかなカスタードを流し、中心がわずかに揺れる程度に焼き上げます。前日に作れる秋のデザートです。
パンプキンパイは、アメリカの秋の食卓を代表するデザートです。かぼちゃのピューレにブラウンシュガー、卵、エバミルクを合わせたなめらかなスパイス入りカスタードを、サクサクのバター生地に流して焼き、冷ましてからホイップクリームを添えていただきます。このレシピは、かぼちゃを丸ごとオーブンで焼くところから始める本格版ですが、市販のかぼちゃピューレ缶を使う近道も組み込んであります。どちらで作っても、焼いている間じゅうシナモンとクローブの香りがキッチンに広がり、それだけで秋に一度は焼きたくなります。
このパイがひと味違う理由は3つ。1つ目は、フィリングを流す前に生地を空焼き(ブラインドベイク)すること。水分の多いカスタードの下でも底が白くふやけず、香ばしく焼き上がります。2つ目は、手作りピューレの水気をしっかり切るか煮詰めて濃くすること。水っぽさこそが、手作りパイが割れたりべちゃっとしたりする最大の原因です。3つ目は、中心がゼリーのようにわずかに揺れる段階でオーブンから出し、室温で完全に冷ますこと。カスタードは冷める間に固まるので、早めに取り出すことでザラつかず、なめらかな口当たりになります。
少し計画的に。かぼちゃを自分で焼く場合は約50分オーブンに入れておくだけで、1〜2日前に済ませておけます。パイ自体も冷ますのに3時間以上かかるので、前日に作っておくデザートとして最適です。
材料
かぼちゃピューレ
- かぼちゃ(日本のかぼちゃで可) 小1個・約1.2kg(ピューレ450g分)、または無糖のかぼちゃピューレ缶 425g(パイフィリング缶ではないもの)
バター生地
- 薄力粉 190g(1と1/2カップ)
- グラニュー糖 大さじ1
- 塩 小さじ1/2
- 無塩バター(冷たいもの) 115g、1cm角に切る
- 氷水 大さじ3〜4
フィリング
- かぼちゃピューレ 450g(上記)
- ブラウンシュガー(きび砂糖で可) 150g
- 卵(L) 3個
- エバミルク(無糖練乳) 300ml、またはコクを出すなら生クリーム
- シナモンパウダー 小さじ1と1/2
- ジンジャーパウダー 小さじ1
- ナツメグ(おろしたて) 小さじ1/2
- クローブパウダー 小さじ1/4
- 塩 小さじ1/2
- バニラエクストラクト 小さじ1
- 軽く甘みをつけたホイップクリーム 適量(仕上げ用)
作り方
- ピューレを作ります(缶を使う場合は省略)。オーブンを200℃に予熱します。かぼちゃを半分に切って種を取り、切り口を下にしてオーブンシートを敷いた天板にのせ、45〜50分、皮がふくれてナイフがすっと通るまで焼きます。15分冷ましてから果肉をすくい出し、完全になめらかになるまでミキサーにかけます。
- ピューレの水気を切ります。水っぽい場合は、さらしやキッチンペーパーを敷いたざるにあけて30分おくか、鍋に入れて中火で5〜8分、スプーンにこんもり盛れるまで練ります。450gを量り取り、冷まします。3日前まで作り置きできます。
- 生地を作ります。ボウルに薄力粉、砂糖、塩を入れて混ぜ、冷たいバターを加えて指先やカードで、ところどころ豆粒大のバターが残る粗いそぼろ状になるまですり合わせます。氷水を大さじ1ずつ加えてフォークで混ぜ、握るとまとまる程度になったら平らな円盤にまとめ、ラップで包んで30分以上冷やします。
- 打ち粉をした台で生地を直径30cm、厚さ3mmほどの円形にのばします。引っ張らないように直径23cmのパイ皿に敷き込み、縁のはみ出しを2cm残して切り、内側に折り込んで縁を指でつまんで模様をつけます。冷凍庫で15分冷やすと、焼いても形が崩れません。
- 空焼きします。オーブンを200℃に予熱し、生地にオーブンシートを敷いて重石(タルトストーンや乾燥豆)を縁までしっかり詰め、15分焼きます。シートと重石を外し、底にフォークで数カ所穴をあけ、さらに8〜10分、底が乾いて薄いきつね色になるまで焼きます。オーブンを175℃に下げます。
- 生地を焼いている間にフィリングを作ります。大きめのボウルでかぼちゃピューレ、ブラウンシュガー、卵をなめらかになるまで泡立て器で混ぜ、エバミルク、シナモン、ジンジャー、ナツメグ、クローブ、塩、バニラを加えてむらなく混ぜます。
- 温かい生地に、縁から5mmほど下までフィリングを流し入れます。温かい生地に流すと底がふやけにくくなります。余ったフィリングはココットに入れて一緒に焼きましょう。
- 175℃で50〜60分焼きます。縁から5cmほどが固まって少しふくらみ、皿を揺らすと中心だけがゼリーのように揺れる状態が焼き上がりの目安です。縁から3cmのところにナイフを刺して何もつかなければOK。30分ほど焼いて縁の焦げが早い場合は、アルミホイルをゆるくかぶせてください。
- 網にのせて3時間以上、完全に冷めるまでおきます。中心は冷める間に固まります。きれいに切り分けるには、さらに1時間冷蔵庫で冷やしてください。ホイップクリームを添えて召し上がれ。
コツ・ポイント
- 代用について:日本のかぼちゃ、バターナッツ、小ぶりの甘いかぼちゃならどれでもおいしいピューレになります。日本のかぼちゃは水分が少なく甘みが強いので、水切りはほとんど不要です。エバミルクが手に入らなければ、牛乳150ml+生クリーム150mlで代用できます。生クリームだけならよりリッチに、ココナッツミルク(全脂)なら乳製品不使用に。スパイスはまとめて「パンプキンパイスパイス」小さじ3でも構いません。
- 作り置き・日持ち:前日に焼いてラップをゆるくかけ、一晩冷蔵庫で休ませるのがいちばんおいしい食べ方です。冷蔵で4日もちます。焼いたパイは冷めてからぴったり包めば冷凍で1か月保存でき、冷蔵庫で一晩かけて解凍します。食べる20分ほど前に冷蔵庫から出すと風味が立ちます。焼く前の生地は冷蔵で3日、冷凍で3か月保存できます。
- 献立・合わせるもの:定番はホイップクリームですが、クレームフレッシュ、バニラアイス、塩キャラメルソースもよく合います。ローストしたピーカンナッツを散らすと食感のアクセントに。濃いめのコーヒーや紅茶と一緒に。
- 表面が割れるのは、焼きすぎか急に冷ましたのが原因です。「中心が揺れる」目安を信じて、熱いうちに冷たい場所や冷蔵庫に入れないでください。割れても味は変わりませんし、クリームをのせれば隠れます。
- フィリングに生っぽい青臭さが残る場合は、ピューレが水っぽかったか、スパイスが控えめすぎたサインです。ピューレを煮詰めると風味が凝縮し、フィリングを流す前に15分おくとスパイスがなじみます。
- 重石がなければ、乾燥豆、米、砂糖でも代用できます。瓶に入れておけば、次の空焼きにも繰り返し使えます。
栄養情報
栄養情報は目安です:1切れ(8等分・エバミルク使用・ホイップクリームなし)あたり約360kcal、たんぱく質8g、脂質16g、炭水化物45g。
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