魚介なしで作れる家庭向けパエリア。鶏もも肉とスペイン産チョリソーを香ばしく焼き、玉ねぎ・パプリカ・トマトのソフリットを煮詰め、サフランのスープで短粒米を混ぜずに炊き上げます。鍋底のおこげまでおいしい4人分。

準備時間: 20分調理時間: 45分合計時間: 1時間5分人数: 4人分難易度: 普通

鶏肉とチョリソーのパエリア(Paella de pollo y chorizo)は、魚介のパエリアよりずっと気軽に作れる、スペインの家庭的な一皿です。鶏もも肉とスペイン産の乾燥チョリソーを、玉ねぎ・パプリカ・トマトをじっくり炒めたソフリット、スモークパプリカ、サフランと一緒に、浅くて広いフライパンで一気に炊き上げます。魚介の下処理がいらず、フライパンごと食卓に出せば黄金色の大皿料理になるので、肌寒くなってきた季節に、温かくてお腹にたまり、ちょっとお祝い気分も味わえる晩ごはんとしておすすめです。

このレシピのポイントは3つ。ひとつ目は、鶏肉とチョリソーを先にしっかり焼きつけること。チョリソーからにじみ出るパプリカ色の脂が、この料理全体の炒め油になります。ふたつ目は、すりおろしたトマトを玉ねぎ・パプリカと一緒に、水分が飛んでジャムのように濃くなるまで煮詰めること。このソフリットが味の深みのほとんどを担うので、ここは急がないでください。みっつ目は、スープを注いだあとは米を一切混ぜないこと。触らないことで米が均一に炊け、鍋底に「ソカラット」と呼ばれる薄いおこげができます。これがパエリアのいちばんおいしい部分です。

フライパンは直径30cm以上のものを用意してください。パエリア鍋、口の広いステンレスのフライパン、浅い大きな鍋のどれでも作れます。米の層が2cm以上の厚さにならないことが大切なので、道具の中では鍋の大きさがいちばん重要です。

材料

  • 鶏もも肉(皮なし・骨なし) 600g(4cm角に切る)
  • スペイン産チョリソー(乾燥タイプ) 150g(1cm厚さの輪切り)
  • オリーブオイル 大さじ3
  • 玉ねぎ(大) 1個(みじん切り)
  • 赤パプリカ 1個(1cm角に切る)
  • にんにく 3片(みじん切り)
  • 完熟トマト 2個(約200g、半分に切っておろし金ですりおろす。またはカットトマト缶200g)
  • スモークパプリカパウダー 小さじ1(スペイン産ピメントン、甘口またはほろ苦タイプ)
  • サフラン 小さじ1/2(ひとつまみ多め)
  • 鶏がらスープ 1リットル(熱い状態を保つ)
  • ボンバ米 350g(またはカラスパラ米などスペインの短粒米)
  • 冷凍グリーンピース 100g
  • レモン 1個(くし形に切る)
  • 塩、粗びき黒こしょう 適量
  • イタリアンパセリ ひとつかみ(刻んで仕上げに散らす)

作り方

  1. まずサフランを浸します。サフランを指でくずして小さな器に入れ、熱いスープ100mlを注ぎ、調理している間10分以上おいて、濃い黄金色になるまで色を出します。残りのスープは小鍋に入れ、弱火で温めておきます。
  2. 鶏肉に塩・こしょうをしっかりふります。直径30〜34cmのパエリア鍋またはフライパンを中強火で熱し、オリーブオイル大さじ2を入れ、鶏肉を重ならないように並べて片面3〜4分ずつ、こんがり焼き色がつくまで焼きます。中まで火が通っていなくて大丈夫です。皿に取り出します。
  3. 同じフライパンにチョリソーを入れ、途中で一度返しながら2分焼きます。縁がカリッとして、オレンジ色の脂が出てきたら鶏肉の皿に取り出し、脂はフライパンに残します。
  4. 中火に落とし、残りのオリーブオイル大さじ1、玉ねぎ、パプリカ、塩ひとつまみを加えます。ときどき混ぜながら8〜10分、しんなりして甘みが出るまで炒め、にんにくを加えてさらに1分炒めます。
  5. すりおろしたトマトとスモークパプリカを加え、よく混ぜながら5〜6分煮詰めます。トマトの生っぽい香りが消え、色がれんが色に濃くなり、ジャム状になって油と分離してきたら、ソフリットの完成です。
  6. 米を加えて1〜2分炒め、米全体にソフリットをまとわせます。鶏肉とチョリソーを肉汁ごと戻し入れ、全体を平らに均一に広げます。
  7. サフランのスープと、残りの熱いスープ約900mlを注ぎます。米の上に1cmほどスープがかぶる状態が目安です。スープを味見し、おいしいスープと同じくらいの塩気になるまで塩で調えます。一度だけ混ぜて米を平らにし、強火で沸騰させ、ぐらぐら煮立った状態で8〜10分加熱します。ここからは絶対に混ぜません。
  8. 弱火に落とし、グリーンピースを表面に散らして、さらに8〜10分煮ます。水分が吸われて表面に小さな穴がぽつぽつと開き、米が芯を少し残してやわらかくなれば炊き上がりです。コンロの火口がフライパンより小さい場合は、数分ごとに鍋を4分の1回転させて均一に火を通してください。水分がなくなっても米が硬いときは、鍋の縁から熱いスープを少し回し入れます。
  9. おこげ(ソカラット)を作ります。中強火に上げて1〜2分。パチパチという音と、焦げではなく香ばしいお米の香りがしてきたら火を止めます。スプーンで端を少し寄せて、底が黄金色でカリッとしているか確認してください。
  10. 清潔なふきんかアルミホイルをふんわりかぶせ、5分蒸らします。パセリを散らし、レモンを縁に添えて、フライパンごと食卓へ。

コツ・ポイント

  • 米の選び方がいちばん大事です。ボンバ米は多くの水分を吸ってもべたつかず、カラスパラ米も同じ性質です。日本ではどちらも輸入食材店や通販で手に入りますが、なければリゾット用のカルナローリ米やアルボリオ米で代用できます。その場合は様子をよく見て、スープをやや控えめに。日本米は粘りが出やすいので、使うなら洗わずに、スープを2割ほど減らしてください。タイ米やバスマティ米はまとまらず、おこげもできないので不向きです。
  • 代用について:スペイン産の乾燥チョリソーが風味の要ですが、手に入らなければ、粗びきのソーセージ(生タイプ)を輪切りにしてよく焼き、スモークパプリカを小さじ1/2追加してください。サフランがないときは省略し、スモークパプリカを小さじ1と1/2にして、ターメリックをひとつまみ加えて色をつけます。骨なし鶏もも肉は、骨付きもも肉を半分に切ったものでも作れます(焼き時間を5分プラス)。
  • 日持ち・作り置き:残ったパエリアは冷蔵で3日保存できます。温め直すときはフライパンに移して水を少量ふり、ふたをして中火で5分ほど蒸し焼きにすると、おこげの香ばしさが少し戻ります。冷凍なら2か月。米はやや柔らかくなりますが、冷蔵庫で一晩解凍してから温めればおいしく食べられます。
  • 献立の組み合わせ:シェリービネガーのドレッシングで和えたグリーンサラダと、ごはんにかけて食べるにんにくマヨネーズ(アリオリ)があれば十分。飲み物はよく冷えたアルバリーニョの白ワインか辛口ロゼ、サングリアが合います。
  • 大きなフライパンがない場合は、米を厚く重ねるのではなく、2つのフライパンに分けて作ってください。米の層が2cmを超えると火の通りにむらが出て、おこげもできず、蒸し煮のような仕上がりになります。
  • 火を止めてからの5分間の蒸らしは省かないでください。表面の米に余熱で火が通り、おこげも落ち着いて、鍋底からパリッとはがれるようになります。

栄養情報

栄養情報はあくまで目安です:1人分あたり約820kcal(カロリー)、たんぱく質45g、脂質35g、炭水化物75g。

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