豆板醤(トウバンジャン、豆瓣酱)は、発酵させたそら豆に刻んだ赤唐辛子、小麦粉、塩を合わせて甕で1〜3年寝かせた濃い赤茶色のペーストです。本場は成都近郊の郫県(ピーシェン)で、熟成が進むほど色が黒っぽくなり、肉のような深い旨みが出ます。辛さより塩気と旨みが主役です。麻婆豆腐、回鍋肉、魚香茄子、水煮肉片、担々麺、火鍋の素など、四川料理の「醤香」は最初に豆板醤を油で炒めるところから始まります。
買い方
ラベルに「郫県」「ピーシェン」とあるものが本格派です。鵑城(ジュアンチェン)牌は成都の台所の定番で、中華食材店、業務スーパー、カルディ、Amazonや楽天で500g入りが500〜900円ほど。「紅油豆板醤」は油分が多くて炒め物に使いやすく、「三年陳」「五年陳」と書かれたものは色が濃く香りが深いので麻婆豆腐向きです。ユウキ食品やS&Bの小瓶はスーパーで手軽ですが、大豆が多くマイルドなので分量を少し増やしてください。粒がごろごろして色が暗いものが良品、鮮やかな赤でなめらかなものは若い醤か台湾式の甘口です。
保存方法
未開封なら常温の暗所で2年ほど持ちます。開封後は冷蔵庫へ。塩分が高いので1年以上傷みませんが、表面が乾いて黒くなります。使うたびに清潔なスプーンで取り、表面を平らにして赤い油をかぶせるか、菜種油を薄く注いでふたをすると乾きません。発酵食品なので軽い酒のような香りは正常です。カビや腐敗臭がしたら処分してください。
代用品
- コチュジャン 同量+醤油小さじ1/2――とろみと発酵のコクは近いですが、米ベースで甘く、韓国風の味になります。
- 赤味噌 同量+一味唐辛子小さじ1――塩気と発酵の土台はできますが、赤い油の色が出ません。
- 甜麺醤やテンジャン 同量+一味唐辛子――塩気と豆の旨みはありますが豆の風味が違います。
- 豆鼓醤(トウチジャン)同量+一味唐辛子――旨みと塩気は十分、黒豆の香りが前に出ます。
使い方
必ず最初に炒めてください。中弱火で油大さじ2〜3を熱し、豆板醤大さじ1〜2を入れて1分ほど混ぜ、油が赤く染まって香ばしい匂いが立ったら他の材料を加えます。スープに直接入れると生臭く、ざらついた口当たりになります。麻婆豆腐など滑らかな仕上がりにしたいときは、粒を包丁で細かく刻んでから。かなり塩辛いので、塩や醤油は最後に味を見てから足します。豆腐1丁、豚肉500gなら大さじ1と1/2が目安です。
著者 Mia Ko · 更新日