ハノイ名物のブンチャーを家庭で。ナンプラーとエシャロットに漬けた豚のつくねと豚バラをグリルパンかオーブンで香ばしく焼き、温かい甘酸っぱいつけ汁に落として、米麺のブンと山盛りのハーブ、青パパイヤの浅漬けと一緒にいただきます。

準備時間: 30分調理時間: 20分合計時間: 1時間20分人数: 4人分難易度: 普通

ブンチャー(Bún chả)は、ベトナムの首都ハノイを代表するお昼ごはんです。香ばしく焼いた豚のつくね(チャー)と豚バラの薄切りを、温かくてほんのり甘酸っぱいヌクマム(魚醤)ベースのつけ汁(ヌックチャム)に落とし、冷たい米麺のブン、山盛りの生ハーブ、青パパイヤとにんじんの浅漬けを添えて食べます。熱い肉と温かいつけ汁に、冷たい麺と生のハーブ。この対比が魅力の料理なので、蒸し暑いハノイの夏はもちろん、涼しくなってきた秋の日にもぴったりです。焼いているときの匂いだけで、家族みんなが台所に集まってきます。

屋台では炭火で焼きますが、家では必要ありません。煙が出るほど熱した鋳物のグリルパンか、オーブンのグリル(上火)機能で、同じように濃い焼き色とカラメルのような焦げ目がつきます。味の決め手は漬けだれだからです。ナンプラーで旨みと塩気、砂糖と少量のたまりしょうゆ(またはベトナムのカラメルソース、ヌックマウ)で色と香ばしさ、そしてたっぷりのエシャロットとにんにく。ほかに大事なことが2つあります。つくねには脂の多いひき肉を使うこと。赤身だけだとパサついてほろほろ崩れてしまいます。それと、つけ汁は薄めの味で温かいくらいにしておくこと。ちょっとつけるタレではなく、お椀ごと飲むスープのような存在なので、濃すぎても熱すぎてもいけません。

フォーを知っている方なら、ブンチャーは「汁に麺を浸さない、つけ麺スタイルのフォー」と考えるとイメージしやすいと思います。麺をひと口分取り、ハーブを2〜3枚添えて、肉の入ったつけ汁の器にちょんとつけて食べる。ひと口ごとに自分で配合を決められるのが楽しいところです。初めて作るときは、まず下の分量どおりに作ってみてください。2回目からは甘さや酸味、辛さを家の好みに合わせて調整できます。

材料

焼き豚

  • 豚ひき肉 400g(脂身が2〜3割入った、肩ロースやバラの粗びきが理想)
  • 豚バラ薄切り肉(皮なし、焼肉用の3〜4mm厚さ) 300g、または豚肩ロース薄切り
  • エシャロット 3個(約60g、なければ紫玉ねぎ1/2個)とにんにく 4片、みじん切り
  • ナンプラー 大さじ3
  • 砂糖 大さじ2
  • たまりしょうゆ(または濃口しょうゆ、ベトナムのカラメルソース「ヌックマウ」) 大さじ1
  • サラダ油 大さじ1、焼くときに塗る分は別に少々
  • 黒こしょう 小さじ1/2

浅漬け

  • 青パパイヤまたはコールラビ 150g とにんじん 小1本(約80g)、皮をむいてごく薄切り
  • 米酢 大さじ2、砂糖 大さじ1、塩 小さじ1/2

つけ汁(ヌックチャム)

  • 水 700ml
  • ナンプラー 100ml
  • 砂糖 70g
  • 米酢 60ml とライム果汁 大さじ2
  • にんにく 2片(みじん切り)と生の唐辛子 2本(小口切り)

添えるもの

  • 乾燥の細い米麺(ブン、なければ細めのビーフンやそうめん) 250g、または生のブン 500g
  • サニーレタス 1株と、ミント、パクチー、大葉(青じそ、ベトナムのティアトーの代わり)、あればベトナムのキンザイ(レモンバーム風のハーブ)各ひとつかみ

作り方

  1. 漬けだれを作ります。ボウルにエシャロットとにんにくのみじん切り、ナンプラー、砂糖、たまりしょうゆ、サラダ油、黒こしょうを入れ、砂糖が溶けるまで混ぜます。半量を別のボウルの豚バラ薄切りにかけ、1枚1枚にたれがからむようにあえます。
  2. 残りの漬けだれに豚ひき肉を加え、手で1分ほど、粘りが出てまとまるまで練ります。手を水でぬらし、直径5cm、厚さ1.5cmほどの平たい円形に12個成形します。両方のボウルにラップをして、室温で30分以上漬けます。前の晩から冷蔵庫で漬けておくとさらに味がなじみます。
  3. 肉を漬けている間に浅漬けを作ります。青パパイヤとにんじんに米酢、砂糖、塩をまぜてあえ、15分以上おき、途中で1〜2回混ぜます。ハーブとレタスは洗って水気をしっかり切り、レタスは食べやすくちぎって、大皿にまとめて盛っておきます。
  4. つけ汁を作ります。小鍋に水、ナンプラー、砂糖、米酢を入れて中火にかけ、混ぜながら砂糖が溶けて湯気が立つまで温めます。沸騰させないでください。味見をすると、そのまま飲めるくらいのやさしい味のスープのはずです。濃いつけダレになっていたら水を足してください。火を止めてライム果汁を加えます。温かいまま置いておき、にんにくと唐辛子は香りが飛ばないように食べる直前に加えます。
  5. 麺をゆでます。乾麺は袋の表示どおり、ふつう4〜5分、やわらかいけれど崩れない程度にゆで、ざるに上げて冷たい流水でしっかり冷やします。水気をよく切り、大皿にひと口分ずつふんわりまとめて盛ります。生のブンはさっと水洗いするだけで大丈夫です。
  6. グリルパンで焼く場合:鋳物のグリルパンか厚手のフライパンを強火で、うっすら煙が出るまで熱し、油を薄く塗ります。豚バラを重ならないように並べ、片面2〜3分ずつ、端が反り返ってところどころ黒く焦げるまで焼き、皿に取り出します。続けてつくねを入れ、軽く押しつけながら片面3〜4分ずつ、濃い焼き色がついて端が焦げ、中まで火が通るまで(中心温度70℃)焼きます。必ず数回に分けて焼き、詰め込みすぎないこと。詰め込むと蒸し焼きになって焦げ目がつきません。
  7. オーブンで焼く場合:上火のヒーターから約10cm下に網をセットし、グリル機能を最高温度で予熱します。アルミホイルを敷いた天板に網をのせ、つくねと豚バラを重ならないように並べます。つくねは片面5分ずつ、豚バラは片面3〜4分ずつ、端が焦げるまで焼きます。漬けだれの砂糖はすぐ焦げるので、こまめに様子を見てください。
  8. 温かいつけ汁を4つの器に分け、それぞれに浅漬けをひとさじ加え、焼きたてのつくねと豚バラを熱いうちに落とします。肉汁がつけ汁に溶けて味に深みが出ます。好みでにんにくと唐辛子を散らします。
  9. 食べるときは、自分の器に麺をひと口分と、ハーブやレタスを数枚入れるか、箸でつまんでつけ汁に浸します。肉、つけ汁、麺、ハーブをひと口にまとめて食べるのが本場の食べ方です。

コツ・ポイント

  • 代用品:青パパイヤはコールラビ、大根、かぶ、または全部にんじんでも構いません。ティアトーは日本の大葉(青じそ)がいちばん近く、キンザイが手に入らなければミントとパクチーを増やし、少しタイバジルを足してください。たまりしょうゆがなければ、濃口しょうゆに黒糖小さじ1を加えるか、砂糖大さじ1を焦がして濃い琥珀色にし、熱湯ひとさじで溶いた簡単カラメルでも。
  • 脂こそが旨みです。赤身のひき肉だけだと乾いてほろほろ崩れるつくねになります。赤身しかなければ、細かく刻んだ豚の脂身大さじ2か油大さじ1を余分に混ぜ、練りすぎないようにしてください。
  • 焦げ目をしっかりつけましょう。フライパンやオーブンは十分に熱く、肉は重ねずに並べます。豚バラについた漬けだれはぬぐわないこと。砂糖とエシャロットが焦げてできる、ほろ苦くて甘い焦げ目こそがブンチャーの味です。
  • 作り置きと日持ち:つくねは前日に成形して漬けておけます。生のまま冷凍すれば2か月保存でき、焼く前に解凍します。焼いた肉は冷蔵で3日、熱したフライパンかノンフライヤーで温め直すとおいしく戻ります。つけ汁は冷蔵で5日。弱火で温め直し、ライム、にんにく、唐辛子は新しく加えてください。浅漬けは1週間もちます。
  • 献立:ハノイの店と同じように、揚げ春巻き(ネムザン)やかにの春巻き(ネムクアベー)を切って添え、アイスティー(チャーダー)を合わせるのが定番です。きゅうりの薄切りと追加の唐辛子を食卓に置いておくと、それぞれ好みで足せて喜ばれます。
  • ノンフライヤーなら、つくねは200℃で8〜10分(途中で一度裏返す)、豚バラは6〜8分、端に焼き色がつくまで加熱してください。

栄養情報

栄養情報は目安です:1人分あたり約800kcal、たんぱく質28g、脂質45g、炭水化物68g(麺とつけ汁を含む)。

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